夫や妻がGPSで位置情報を取得するのは違法なのか⁉

GPS機器の普及によって、夫や妻、家族、彼氏・彼女、友人、社員、第三者などの行動・所在を確認する為にGPSを利用するケースが増えています。

 

相手の所在・位置を確認する為の方法としては、スマホの位置情報アプリとネットで購入・レンタルできるGPS機器となり、使用方法も難しくはありません。

大切な家族、幼い子供や年老いた両親の見守りとして、またGPSで位置情報を取得する旨を相手に周知・了承を得ている場合は何ら問題ありません。

 

しかしながら不審な行動をする夫や妻、彼氏・彼女、友人・知人、社員などに周知せずにGPSで位置情報を取得する事に違法性はないのでしょうか?

 

 

位置情報を取得したい対象者に周知する事なく、対象者の車輛や所持品等にGPS機器等を仕掛ける事の違法性の有無について

 

〇違法性が無いケース

・対象者に周知して了承が得られている場合

・幼い子供や年老いた両親の見守りとして利用する場合

・GPS機器を取付ける車両が自分名義である場合

・社員の動向確認の為にGPS機器を取付ける車両が会社名義の社用車である場合

などは違法性がありません。

 

〇違法性に関してグレーゾーンのケース

・夫や妻の動向確認の為に夫や妻が乗る車両にGPS機器を取付ける行為に於いて、先に記した様に自分名義の車両であれば何ら問題はありませんが、車両が自分名義でない場合はグレーゾーンとなるようです。

 

 何故、グレーかと言えば

・裁判の先例となる過去の判決に於いて、夫や妻の動向・浮気等の確認の為にGPS機器を用いて位置情報を取得する行為に対して、明確に違法であると言う判例がない事。

 

・多くの弁護士の見解として、GPS機器を取付ける車両が夫婦どちらかの名義であれば、

夫婦の共有財産とみなし違法性が無いと認識されている事。 

などの点からグレーゾーンとなるようです

 

尚、GPS機器を取り付ける車輛が夫婦の名義ではない、つまり共有財産ではない他人名

義の車や、夫や妻が乗る社用車などの場合は違法となる可能性が高いと言えるでしょう。 

 

更に、夫婦関係の悪化等によって夫婦が別居中の場合も同様で、GPSの取付けは違法と

なる可能性が高いのでご注意下さい。

 

夫や妻、家族、彼氏・彼女、社員等についての所在や行動を把握する為にGPS機器を用いて位置情報を取得する事が、「つきまとい」「ストーカー」行為ではないから「規制の対象にはならない」と思われるかも知れませんが、そんなに単純なものではないのです。

 

◆違法性がある場合

元交際相手や元夫・妻、そして一方的な恋愛感情を抱いた相手に対してGPS機器を用いて位置情報を得る場合は違法である事は下記に記載している通りです。

 

対象者の車輛や所有物等に無断でGPS機器を仕掛けて所在や行動を監視するといった行為は、令和3年に改正され同年8月26日から施行されたストーカー規制法「GPS機器等を用いた位置情報の無承諾取得等の規制」に於いて規制の対象となっています。

 

「つきまとい等」を繰り返すストーカー行為者に警告を与えたり、悪質な場合は逮捕することで被害を受けている方を守る法律で、規制の対象となるのは『つきまとい等』『ストーカー行為』の二つです。

 

  • 「つきまとい等」とは

特定の相手に対する恋愛感情やその他の好意の感情、それが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的で、その特定の相手又はその家族等に対して行う行為を「つきまとい等」と規定し、規制されています。

  • つきまとい・待ち伏せ・押し掛け・うろつき等
  • 監視していると告げる行為
  • 面会や交際の要求
  • 乱暴な言動
  • 無言電話、拒否後の連続した電話・FAX・メール・SNSメッセージ・文書等
  • 汚物等の送付
  • 名誉を傷つける
  • 性的しゅう恥心の侵害

 

  • 「ストーカー行為」とは

同一の者に対し「つきまとい等」を繰り返して行うことを「ストーカー行為」と規定して、罰則が設けられています。

但し「つきまとい等」の①~⑤までの行為については、身体の安全、住居等の平穏若しくは名誉が害され、又は行動の自由が著しく害される不安を覚えさせるような方法により行われた場合に限るとされています。

 

昨今、GPSを用いて相手の行動・所在を確認してのストーカー行為が増えている事から、同行為を規制する為に今回のストーカー規制法の改正となり、GPS機器を仕掛けて所在や行動を監視するといった行為が規制の対象となっているのです。

 

※過去の判例でGPS機器の取付けが違法となったケースとしては、

 ・刑法の住居侵入罪・建造物侵入罪

GPS機器を仕掛ける為に対象者自宅敷地内やマンション、会社等の敷地内などで取り付けた場合は「住居・建造物への不法侵入」となります。

 ・迷惑防止条例違反

対象者の車にGPS機器を取付け・監視をする行為は、「迷惑防止条例」の見張り行為に該当する場合があります。

※福岡県迷惑行為防止条例とは <福岡県警HP参照>

県民及び滞在者に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等を防止し、もってその平穏な

生活を保持することを目的とした条例

 ・軽犯罪法違反

立ち入り禁止の場所に無断で立ち入ると「軽犯罪法」の違反となるおそれがあります。

 ・器物損壊罪

GPS機器取付け時に対象者の車輛底のラバー部分を剝がしたり傷つけたり、また取り付けたい部分に何らかの損壊行為等をすれば「器物損壊罪」に問われる恐れがあるのです。

 

つまり上記の様に刑法に触れる事がなければ、夫婦間に於いてGPS機器を取付ける行為はグレーゾーンであると言う事です。

が、彼氏・彼女、友人・知人等に周知する事なく相手が使用する車両や手荷物等に無断でGPS機器を取りつけて位置情報を取得する行為は「つきまとい」「ストーカー」行為と見做されて、規制の対象となるのでご注意下さい!

 

 

□ご使用上の注意点として

冒頭に記した様にネット上では、ありとあらゆる用途のGPS機器が販売・レンタルされていますが、ストーカー規制法・迷惑防止条例、他の刑法に触れてしまうリスクはさておき、GPS機器で取得した位置情報の誤差をよく理解してご利用してください。

 

■GPS機器で取得した位置情報の誤差について

初めてGPS機器を利用される方の多くは、GPSが示す位置=ピンポイントと思われがちですが、GPS機器がどの様な場所に位置しているかや周辺の環境によっては、GPSが示す位置に大きなズレが生じます。

 

GPS機器を取り付けた車両や所持品が地下駐車場や立体駐車場、ビルなどの建造物に囲まれた場所にあったり、マンション室内や数階建てのオフイスビル内にGPSがあれば誤差はさらに大きくなり、得られた位置情報より数10m~数100m~の誤差で位置が表示されたりします。

GPS機器を利用される方は、取得した位置とは異なる事をよく理解しておかないと、対象者の行動にあらぬ疑いを掛けたり・誤解が生じる事になり兼ねません。

使用する前には、ご自身でGPSを持ち歩きながらGPSが示す位置の誤差を確認すると共に、GPSの特性を充分に理解してからご利用される事をお勧めします。

 

 

夫や妻の行動確認・浮気の有無を確認する為にGPS機器を用いた動向確認は、探偵会社に依頼するより安くつくかもしれませんが、確かな浮気の証拠を採る為には信頼できる「九州探偵調査業協議会」の会員に調査依頼されるのが良いでしょう。 

 

 

※安心保障の「九州探偵調査業協議会」とは、

九州探偵調査業協議会は、内閣総理大臣の認可を受け、警視庁を監督官庁とする「一般社団法人日本調査業協会」の協力団体として、探偵・調査業界の健全化を目指して活動している「福岡県探偵調査業協議会」と「佐賀県探偵調査業協議会」及び「沖縄県探偵調査業協会」で運営する協議会です。

 

当協議会は加盟している探偵会社に対し、調査業務の適正な運営を指導すると共に、探偵業法の順守と調査技術の向上、等に関する勉強会を定期的に開いて、会員のレベルアップを行っています。

また、調査依頼者に対しては、消費者保護の立場で日々の業務に当たっていますので、安心して調査のご依頼ができます。

 

 

探偵・調査に関する具体的な御見積りや費用に関するお問合わせ・ご相談は、高い技術力と豊富な経験を有する福岡県探偵調査業協議会・佐賀県探偵調査業協議会・沖縄県探偵調査業協会の会員へご連絡下さい。

※九州探偵調査業協議会 会員一覧